釣果情報

日別アーカイブ: 2022年4月30日

大分県 遊漁船 ジギング タイラバ

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最近連日報道されている例の知床遊覧船ですが、そのニュース等で言われている内容が、あまり言いたくはないけど、余りにもひどいので、こんな場所(ブログ)ですがこのやるせない気持ち?を一言言わせていただきたいと思います。

まず言いたいことは主に報道によれば、船長の無理な判断により、到底出船は考えられないような悪天候の日に無理に出船したために事故に会った。従って、この事故の責任は、無理に出船を決定した船長にあるのだ
という、まるで船長に責任を丸投げするかのような報道。
そして船長はこの事故で亡くなってしまったため、今度はこの会社の社長に対して集中攻撃です。
これは…まるでイジメ報道?でしょうか?

今回の事故の原因は何か…?
当時は波3メートル、風15メートル。確かに高い波、強い風。
しかし解る人には解るのでしょうが、この気象状態で船が沈没することは考えられません。船は思ったよりしっかり作られている。
ウチの船であってもそのくらいの波風ならば、たとえ外海で急な天候悪化があったとしても、ゆっくり帰ってくれば無事に帰る事がでかるはずです。どう考えても船が一気にしずむなんて事は理解出来ません。

では何故沈んでしまったのか。

それはひとえに船の整備、修理不良に原因があったはずなのです。

どういう事かと言うと、この遊覧船は過去に漂流物にぶつかって、上架(船を陸に上げる事)修理していたと言います。その時に船首に15センチくらいの亀裂があったにも関わらず、船を下架してそのまま使っていたとの事。
これが事故の直接の原因であると思います。
つまり、事故当日に天候が急変し、天候急変は想定内であっただろうが、例えば高波によって船首が海面を叩いた時に、その亀裂の部分が破損、海水が一気に船底に浸水し、エンジンルームに侵入(ただし、船底とエンジンルームはしっかり仕切られて、船底に海水が入ってもエンジンに水は入らない構造になってるはずなんですが、何故水が入ったのかは、?。)、エンジンが止まってしまって走行が不可能になり(船首が沈んでしまったらいくらエンジンが生きていたとしてもいずれも走行は不可能ですね…)、岩に打ち付けられたのかは解りませんが、船首から一気に沈んでしまったのだと思います。「引き返そうとしなかった」のではなく、「引き返そうとしたけど出来なかった」のでしょう。

何が言いたいのかと言えば、

直接の原因は、「悪天候で出船したから」ではなく、「しっかり修理をしていなかったから」なのだと思うのです。
勿論これは僕の想像ですが

それなのに連日の報道では、船長が無理に出船したからだとか社長が無理に行かせたからだとか、果てはあの船長はこの海を理解していないシロウトだったとか、天気予報を確認していなかったとか、社長はカネ使いがどうとか、イケイケドンドンだったとか、まるで悪口のオンパレード。これはイジメでしょうか。吊るし上げでしょうか。

つまりはこの事故、つまり「船首の亀裂が破壊された事」は「天候云々ではなく、波が比較的穏やかでも起こり得る事」だったはずなのです。
それが運悪く?天候悪化の時に起こってしまったので大惨事になった。もしもこれが天候の良い時に浸水、或いは港で係留中に気付いていたら、こんなことにはならなかったはず。そういう意味で、今回の事故は、悪条件が重なって起きてしまった事故であると思うのです。
それを船長、社長の人格までも攻撃するような印象操作にすり替えられている。これが余りにも腹立たしいし、余りにも社長、そして亡くなられた船長、そしてお客さん達に対してひどい仕打ちだと思うし、可愛そうでならないのです。

この事故の責任を問うとしたら、「亀裂が残っているにも関わらず、よくもまあ下架できたなぁ」とは思います。その意味では、この会社の社長、船長の責任は大きいと思います。
僕ならそんな船、怖くて乗ってられないし、知ってたら絶対に船を下ろしません。
ウチの船を整備してくれている社長が聞いたら、テメェ、死にたいのか!?お客さんを殺す気か!?
とド叱られることでしょう。
それだけ海は素晴らしいけど恐ろしい、ハゴ板一枚下は地獄の世界なのです。
それだけに船の整備はシビアでなくてはいけません。
そのウチの船を整備してくれている社長にいつも言われることは、整備はしてもしすぎることはないし、何度見返してもまた見なきゃいけない。いつ何時何が起こるかわからない。整備だけはしっかりやれ!お前が死ぬのはいいが、お前はお客さんの命も預かっとることを忘れるな!と散々言われるのです。その意味が、僕も今解った気がします。
だから、この事故のことを知ったとき、亀裂が肉眼で確認出来るような船をよくも海に下ろしたなぁ!と背筋がぞーとしたのです。

責任追及するとしたら、したらですけれど、この整備、修理の甘さを指摘すべきであって、そこに目を向けないと今回の事故は何の教訓にもならないし、また同じような事がおこるかも知れないと思うのです。
その意味ではこの会社の社長は「海」を知らない人だと言われても仕方ない。それは事実でしょう。

しかし、悪天候で出船した、天気予報を確認していなかった、引き返さなかった、怖いもの知らずのシロウトだった、カネ使いが…
云々の悪口は、単なる言いがかり、ヤ○ザの言いがかりのようなもので、人権侵害もいいところだ、と言いたいのです。

僕はこういう「同じ様な仕事」なので、特に思うのかも知れないけど、正直言って、僕もいつこの社長や船長と同じ立場になってもおかしくない状況。
そしてそれは誰にでも言える事だと思うのです。
今回の事故の報道をしている人達も、です。「社長、会見はしないんですかー!」と社長を追いかけるテレビクルーもです。
そして考えたくはないが、ウチの船に乗って下さるお客さん達もこの観光客の人達のような…

それだけ海は、いつ、何時、どんな事が起こるかわからないのです。この上ない恵み、楽しさ、喜びを与えてくれる海ですが、反面いつどうなるかわからない所だということを忘れてしまうと、思いもよらないシッペ返しが、来ることもある、ということは忘れてはいけないと思います。
まあ、あんまりいうと、ウチのお客さんが減ってしまうといけませんので止めますがw

今回の事故に話を戻しますと、誰が悪いのかという「犯人捜し」をするのであれば、整備修理不足。整備側が悪いのか(実はこれが一番解らない。報道でも誰も指摘しない。一体誰がどこの会社が?修理したのか。こんないい加減な修理を)、それとも「このくらいでいいや、浮いてりゃ大丈夫だ、」と言った責任者がいたなら、主にその人でしょう。それが修理した会社なのか社長なのか船長も知っていたのかは知りません。
だけど、考えなきゃいけないと思うのは、これ(事故)はあくまで「不可抗力」。まさか、まさか沈むとは思っていなかった、とみんな言うはずなのです。
万全を尽くしていたはずなのに、「思いもしなかった事が起こってしまった」のでしょう。
だから、誰が悪い、誰が犯人で、という考え方は止めて、今回起こってしまった事は元に戻す事は出来ないと、自然の驚異の前には素直に屈服して、これを教訓として教えてくれたいるんだと受け取るのが正解なのだと思うのです。残念ながら。

遠くからせっかく来てくれたのに、天候悪くて出られないのは仕方ないことだけど、出来るなら少しムリをしても行ってあげたい、その気持ちは誰も同じと思います。ましてこの会社の社長、船長ならなおさらその気持ちは強いと思います。そして観光客の人達にしても、せっかくここまで来たのだから、ちょっと波が高くて苦労してでも行きたい、そういう気持ちも同じと思います。。

今一番辛いのはこの会社の社長だと思います。
自分があそこで中止判断を下していたら、いっそ自分が死んでいたかった、と思っていると思います。自分がその立場ならそうだと思います。
だから、何も出来ないけど、せめて一言くらいは言いたいという僕なりの自己満足と思って読んで頂けたら、と思うのです。

そして何より今後も僕は釣り船を続けていくに当たって、益々きを引き締めて皆さんをお迎えしなければいけないと思うし、海は想像もしない事が起こり得る所であるという思いを皆さんと共有して、楽しい釣りをしていけたら、と思うのです。

追記:そしてもう一つ、この事故に関してのある意味最大の疑問。会社の体制に対する疑問は勿論あるけれどそれよりも、救助体制、救助システムは一体どうなっているのか?海保が現場に到着したのは、SOS要請が出されてから実に3時間以上経過した後だったということ。これはどうなっているのか?海保の人達は何を考えているのか?何故直ぐに出動しなかったのか?…大分の海も北海道の海も、救助体制は一緒という事か…今回の時事においてはその事、つまりズサンな救助体制を反省、見直し、緊急時には直ぐに出動できるように、人命救助できるだけのシステムを構築し、今後こういう事故が起こらないような体制を整える、事を議論するべきではないのかなぁー。何やってんですかね?「社長!何であんな波高いのに出航したんですか!?」って、違うちゅうの。高くも何とも無い訳では無いがそんなんではまず沈まんちゅうの!だいたい3メートルの波がとかごちゃごちゃ言ってたら大間のマグロ漁師さん達が怒り狂うでしょと言いたい!記者の質問が幼稚園児並み。(幼稚園に通ってる子、ゴメンナサイ)

イカンイカン、心落ち着いて…

長文申し訳ありません。